ケガ後に思い切り動けなくなる原因とは?

― 痛みが消えたのに全力で動けない本当の理由 ―

「ケガは治ったのに怖くて力が出せない」
「復帰後、思い切り走れない」
「以前のような動きができない」

この状態は珍しいことではなく、多くの人が経験します。
原因は単なる筋力低下ではなく、身体と脳の防御反応にあります。

本記事では、臨床現場やスポーツ復帰支援で多く見られる要因をもとに、思い切り動けなくなる本当の理由を解説します。

復帰後によく見られる状態

ケガ後の現場で多い訴え:

✔ 無意識に動きをかばってしまう
✔ 全力動作になると怖さが出る
✔ 力が入りにくい感覚がある
✔ 疲労しやすくパフォーマンスが落ちた

検査では問題がないのに動けない場合、
神経系と心理的防御反応が関係しているケースが多く見られます。

思い切り動けなくなる主な原因

① 防御反応(脳のブレーキ機能)

ケガを経験すると、脳は再受傷を防ぐために出力を制限します。

この防御反応により:

  • 力を出し切れない
  • 無意識に動きを制限する
  • 可動域を狭める

安全装置のような役割ですが、回復後も残ることがあります。

② 痛みの記憶(恐怖回避行動)

一度強い痛みを経験すると、脳はその動作を「危険」と学習します。

その結果:

✔ 同じ動きに恐怖を感じる
✔ 無意識にブレーキがかかる
✔ 動作スピードが低下する

これは弱さではなく、正常な防御反応です。方は要注意です。

③ 筋力低下と神経伝達の低下

安静期間中は筋肉量だけでなく、神経と筋肉の連携(神経筋協調)が低下します。

その結果:

  • 力が入りにくい
  • 反応が遅れる
  • 動作がぎこちなくなる

筋力が戻っても、神経の再教育が必要です。

④ 関節の安定性低下(固有受容感覚の低下)

靭帯損傷や捻挫後は、

関節の位置感覚(固有受容感覚)が低下します。

これにより:

✔ バランスが不安定になる
✔ 着地や切り返しが怖くなる
✔ 再受傷リスクが高まる

特に足首・膝・肩のケガ後に多く見られます。

⑤ 可動域制限と柔軟性低下

痛みを避けて動かさない期間が続くと、

  • 筋肉の硬さ
  • 関節可動域の制限
  • 動作パターンの崩れ

が起こり、本来の動きができなくなります。

⑥ 再発への不安と心理的要因

競技復帰時によくある心理状態:

  • またケガをするのではという不安
  • 全力動作への恐怖
  • パフォーマンス低下への焦り

心理的要因は運動出力に直接影響します。ります。

痛みが消えても「回復完了」ではない

医学的に治癒していても、

✔ 神経系の回復
✔ 感覚機能の回復
✔ 動作パターンの再構築

が不十分だと、パフォーマンスは戻りません。

スポーツ医科学では、
復帰=治癒ではなく再適応のプロセスと考えられています。

安心して動ける身体を取り戻す方法

1. 段階的な負荷の再導入

低強度 → 中強度 → 実戦動作へ段階的に進める。

2. 固有受容感覚トレーニング

バランストレーニングや片脚動作。

3. 神経筋再教育

軽いジャンプ、リズム動作、敏捷性ドリル。

4. 可動域と柔軟性の回復

関節可動域を正常範囲へ。

5. 成功体験の積み重ね

「動ける」という安心感が脳のブレーキを外します。

こんな状態は専門家の評価が必要
  • 不安定感が続く
  • 力が極端に入らない
  • 動作時に恐怖が強い
  • 再発を繰り返している

適切な評価と段階的リハビリが重要です。

まとめ

ケガ後に思い切り動けなくなる原因は:

  • 脳の防御反応
  • 痛みの記憶と恐怖回避
  • 神経筋機能の低下
  • 関節感覚の低下
  • 可動域制限
  • 心理的不安

これは異常ではなく、身体を守る自然な反応です。

正しい段階的アプローチにより、
安心して全力で動ける身体は取り戻せます。

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